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ママアフリカンダンサーとして開拓する自分らしい生き方




アフリカンダンサーであり、アフリカンダンス&ドラム トライブスの主宰・生野彩さんにお話を伺いました。あやさんは、私のダンスの先生であり、娘のアフリカンリトミックの先生でもあります。

今あるものに囚われることなく、常に前進しているあやさんの姿勢にいつも驚かされます。アグレッシヴだけど、人を置いていかないというか、とても優しい。アクションを積み重ねて、自分らしいスタイルを開拓するあやさんの生き方をぜひみなさんに紹介したいと思います。

また、アフリカのことをよく知っているあやさんに、アフリカの女性についても伺いました。日本とは全く違うアフリカの事情は、とても興味深いものでした。






Q:あやさんは、大学のサークルでアフリカンダンスと出会ったと聞きましたが、アフリカンダンスを仕事にしようと思ったきっかけはありますか?


関西学院大学在学中、アフリカンダンスにハマっていました。夏休みにニューヨークに行き、アフリカンダンスセンターというところがあるんですが、そこで様々なアフリカの国のダンスを踊りました。すごく刺激的で楽しくて。


そのときに、セネガルのサバールダンスと出会ったんですがその場では全然踊れず・・・。習得できなかったことがトラウマとして頭に残っているような感じでした。


大学卒業後は旅行代理店のJTBに就職。5年間働いた頃に体調不良があり甲状腺に異常が見つかりました。過労やストレスによって悪化するということもあり、いったん退職させてもらうことにしました。

旅行業は女性が多い職場なので、ブランクがあっても割と復帰しやすい環境でしたね。


2006年、タンガナツアーというダンス合宿に参加し、初めてセネガルを訪れました。サバールダンスに再チャレンジしたくて訪れたのですが、セネガルでダンスをしていると体調がどんどん良くなっていったんです。自分自身が楽しめて、身体も喜んでいるのを感じました。





Q:アフリカンダンスが身体に良いという具体的な理由は何かあるんでしょうか?


アフリカでは邪気は首にたまると言われていて。その邪気を払う振り付けなどはありましたね。あとは、アフリカの太鼓の音は身体も心もリラックスさせる効果があります。血流などの流れが良くなるし、全身をめぐる感じです。また、左右対称の動きが多いから、身体の歪みにも良いと思っています。


身体も元気になり、自分が楽しいと思えるアフリカンダンス。それならば、これを仕事にすべきでは?と思い、帰国後にスクールオブアフリカンダンスのインストラクターの資格をとりました。


そして、講師として自分のスタジオ”studio tRibES”をオープンしたんです。




photo by tRibES photography


Q:スタジオをご自身でやっていたんですね!すごいです。


そうそう。当時はアフリカンダンスの専門スタジオは他になかったと思います。難波で2008〜2013年まで5年間やっていて、そのときに結婚をしました。


旦那さんはアフリカ専門の旅行会社で働いているのですが、転勤でケニアにいくことが決まってしまい。スタジオは畳んで私も一緒にケニアと日本を行き来する生活を4年間おくりました。



Q:大人向けのレッスンだけでなく子ども向けのアフリカンリトミックもされていますね。結婚や出産でご自身のスタイルは変わりましたか?


2018年にケニアから帰国し東京勤務になり、東京にいましたが、その後妊娠。里帰り出産だったので兵庫県の芦屋に戻りました。


そして、小学校のときに通っていたジャズダンスの先生と再会し、先生のスタジオである「尼崎ヨーコ・ダンスヴィレッジ」と大阪市内で会場「マルコノスタルジ」を借りてレッスンをするようになりました。


リトミックを始めたのは子どもが産まれたからですね。子どもも一緒にできることを考えたときに、アフリカの太鼓でするリトミックがいいと思いました。プログラムを自分で考えて、リトミック講師の資格も取りました。




Q:私の娘はアフリカンリトミックが大好きです。

太鼓を叩いてくれるドラマーさんもアフリカ人のプロドラマーさん(京都在住のCheikh Tahirou mbaye先生)で、本当に贅沢なリトミックだと思います。国際交流にもなって、親としてはいい事ばっかりです。


太鼓の音は子どもたちにもすごくいいんです。太鼓の振動が体の水分に働きかけると言われています。ご存知の方も多いと思いますが人間は7割が水分です。また、母親の鼓動に近いらしく、太鼓の音って生で聞くと爆音なんですが、寝ちゃう子も多い。笑


国際交流という点もありますね!今の時代は英語がしゃべれたらそれでいいということではないと思うんです。人種差別のことも問題になっていますが、多文化理解というところまで踏み込まないと。



Q:あやさんは、レッスンにお子さんも一緒に来ていることも多いですが、プライベートと仕事のバランスをとるのに、大変なことも多いのではないですか?


以前と同じように働くなら、子どもは保育園に入れないとできません。でも、そうじゃないやり方を選んだので、家族も理解してもらえるように話をしましたし、協力をお願いしています。旦那さんも仕事でいないことも多いので、両親にみてもらったり、自治体のファミリーサポートを利用しています。





Q:話は変わりますが、アフリカの女性の話を伺いたいです。アフリカと日本の女性の違いや、アフリカの女性たちがすごいと思うところはありますか?


アフリカの女性たちは本当に働き者です。女社長も多いんですよ。旅行業、アフリカ布のテーラーさんなどは女性の経営者によく出会いました。彼女たちは、シッターさんに子どもを預けてがっつりと働いていますね。シッターさんを雇う費用がアフリカはとても安いんです。


男の人は、ぼんくらな人もそこそこいるかな笑。

もちろん優秀な人、働き者はたくさんいますが、奥さんが子育てして働いているけど、旦那さんはぐうたらしているっていう光景もよく見ましたね。結婚して子どもがいても、夫・親としての責任を果たしていない人も多いかもしれません。



Q:そうなんですか!?それは驚きです。じゃあ、アフリカではよく働く女性は尊重されているんでしょうか?


いえ、男尊女卑を感じることもまだまだ多いです。国にもよりますが、イスラム教では1人の男性が奥さんを4人までもらえますし、日本とは大きく違いますね。仕事ができる女の人は、最初からシングルマザーとして働くという人もいるくらいです。


田舎のほうでは、社会に出て働くことができない女性も多いです。男性が外に出稼ぎにいき、女性が家を守っているということが多いかも。


治安という側面からも、外に女の人ができることが危ないというところもあり、家事や家でできる手仕事をしていたりします。家事も、日本と違って家電が揃っていないのですごく時間と手間がかかります。専業主婦も大仕事なんです。なので、幼稚園くらいの小さい子が赤ちゃんの面倒を見たり、親の手伝いをしていますね。


ラグビーワールドカップでのパフォーマンス(2019)

Q:最後にあやさんの今後のビジョンを聞かせてください。


アフリカンダンスはまだまだマイナーですが、子どもからお年寄りまで幅広く楽しめるダンスです。もっと広めていきたいし、イベントなど出演の場を増やしていきたいです。リトミックの方も、もっと多くの方に知って頂き、プログラムを充実させていきたいです。




Q&A


Q:あなたの生きていくうえでのモットーは?


とにかく楽しむ



Q:女性のロールモデルはいますか?


イチロー(笑)



Q:いま世界に必要なことは?また、もっと減らしたいことは?


自分を解放すること



 

《Aya》

旅するアフリカ雑貨店 marche tRibES

西アフリカ・セネガルのサバールパフォーマンスグループWalabooK?!のリーダーとして活動。学校公演や地域のお祭り、クラブイベントなどで幅広く活動。2018年サッカーワールドカップセネガル日本戦、2019年ラグビーワールドカップでのパブリックビューイングパフォーマンス出演。

出演メディア:NHK BS1、MBSちちんぷいぷい、読売テレビもんくもん、MBSミント、産経新聞、朝日新聞、神戸新聞など

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