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Letter for Adventurer VOL.1

『Letter for Adventurer』はキュレーション型のニュースレターです。Woman Adventurerの視点から、おもしろいと感じた記事やコンテンツをピックアップして、私のコメントと共にお知らせします。

 

女性視点のまちづくり-Feminist City


 親しい人には最近読んでいる本として話していた、地理学者レスリーカーンの著書フェミニストシティ。翻訳版がなく、英語で読んでいるのでなかなか進まない…そんな中、雑誌wiredの最新号『New Neighborhood』でFeminist Cityを扱った記事を発見した。まちづくりの新たな視点として、キャッチーな本であることは間違いなさそうだ。


 ざっくりと説明すると、これまでの都市計画は男性主導でまちの構造や機能も働く男性視点で語られ、造られてきた。しかし、女性という視点から今の都市を捉え直すと問題と感じる点も多い。例えば、「移動」という点では、女性は徒歩で複数地点を行き来し、複雑化する傾向にある一方、男性は点と点を一方向に移動する傾向が強いのだとか。また、移動手段も公共交通機関が多い男性に比べ、女性は徒歩の割合が高い(ロンドン市の調査)。

 このような女性視点、そしてその他マイノリティと言われるジェンダーの視点を都市に落とし込むことで、都市生活はより豊かになるとカーンは提案している。

 私はというと、Feminist Cityを参考図書に、住んでいるこの阿倍野周辺のエリアのフェミストシティの提案をするのが目標なのだけど。早く読まないと…


・「フェミニスト・シティ」地理学者が提案する女性視点の都市のあり方とは?(転載記事)

・WIRED 最新号『New Neighborhood』



子どもの感情をどう扱うか?欧米との教育の違い



 最近出会う情報の中に子どもの感情表現に関するものがいくつかあった。そこで気付いたことが、欧米では子どもが自分の感情をどう表現するかを学ぶメソッドが多くあるということ。

 

 日本でも有名なライフスタイル誌kinfolkが、子育てしている親に向けた新しい雑誌「kindling」を発行した。その第一号のテーマが「Emothion(感情)」だ。読み進めていくと、感情表現を子どもたちに教えることは、欧米では当たり前なようだ。誌面では教え方や、幸福感の違いについてなど、一歩進んだテーマが多い。


 また、「カラーモンスター 気持ちはなに色?」という絵本を知っているだろうか?全世界で200万部を突破しているベストセラーで、いろんな感情とモンスターのカラーをリンクさせ、複雑な感情を紐解いてくストーリー。子どもに自分の今抱いている感情を教え、それをどう表現していくかの”言葉”を学ぶことができる。私の3歳の娘はこの本を気に入って(モンスターが好きだからかも)食い入るように見ていた。


 日本の保育園や幼稚園での感情表現の教育方法を知っているわけではないが、私の感覚では、日本では、子どもではなく親主導の感情の汲み取りが主流な気がする。喜怒哀楽を子どもに教えている親がどれだけいるだろうか?ちなみに私はわざわざ教えてなくても、自然に理解するものと思っていたし、感情のコントロールや表現の方法を教えた方がいいなんて思いも寄らなかった。日本人の国民性も大きく影響していると思うし、感情表現の方法を知らないのは子どもに限ったことではない。長くなってしまったが、親も子どもと一緒に感情について学べる絵本と映画を紹介したい。

カラーモンスター きもちは なにいろ?

・ディズニーピクサー映画「インサイドヘッド」



多様な父親像


先月、父の日の前に世界のニュースには父親をテーマにしたものが多く見られた。ネタの旬としては過ぎてしまったが、私の中で面白かったものを2つ紹介したい。


1つ目は、このニュースレターのお手本にさせてもらっている「Lobsterr Letter」から。「父親の進化人類学」というタイトルで、『Knowable Magazine』の記事を紹介していた。記事では、類人猿や西洋以外の文化圏における”父親”の役割の研究を紹介しながら、「父親像」の進化とその可能性について触れている。研究によれば、人類と同じ哺乳類の父親のほとんどは、精子提供以外には何もしない傾向にあるらしい。つまり、人を含む猿人類は、オスが子育てをする特殊な哺乳類と言えるようだ。ルワンダのマウンテンゴリラは、自分の子供に限らずグループ内の子をオスが集団でケアする様子が見られるそうで、遊んだり添い寝もするそうだ。また、人類でいうと、核家族は世界的に見ると少数派だそうで、非西洋文化圏では、家族以外にも食料を持ち帰る父親がいたりする。

Evolution of the dad Knowable Magazine


2つ目は、私のお気に入りセサミストリートから。父の日にセサミストリートが放送したのはゲイのカップルが親である家族のエピソードだった。これほど爽やかに、差別や偏見の概念を取り払ってくれる番組やメディアが他にあるだろうか?日本での放送が終了してしまったことが本当に残念。

people

これらかの記事から感じるのは、父親のあり方は多様であっていいのだということ。父親当本人もそうだが、母親や周囲も父親像に固定観念を持っていることが多い。そして、他の家庭と比較して、もっとこうあってほしいとか思ったりしてしまう。どうせ比較するなら、こうやってオラウータンや全く違う文化圏の父親、そして未来の父親像と比較してみよう!そうすれば、それぞれのあり方があって良いと腑に落ちるのではないだろうか。そして、今の自分たちの家族に合う形に、父親像は進化させていくことが必要なのだと思う。



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