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Letter for Adventurer VOL.2

『Letter for Adventurer』はキュレーション型のニュースレターです。Woman Adventurerの視点から、おもしろいと感じた記事やコンテンツをピックアップして、私のコメントと共にお知らせします


 

読書のアクティビズム

みなさんは、本が好きだろうか?

私は近頃、改めて本というものの面白さにワクワクしている。それは二つの偶然から始まった。

一つは、定期購読しているLobsterrのニュースレターの、『Book Is Power!ムーブメントとしてのブッククラブ』という記事を読んだこと。アメリカの著名な女性を中心に、オンラインで運営するブッククラブ(読書会)が盛り上がっているらしい。そして彼女たちがこれまで見せてこなかった自分の内面にある思想や知的好奇心、課題意識を文学を通じて表現するようになり、社会全体もそれを受け入れ始めていることが紹介されていた。(lobsterr letter vol.119より)

Illustration depicting young women in the 19th century relaxing and reading on an August afternoon. (Universal History Archive/Universal Images Group via Getty Images)


もう一つは、ライターの友人が、「これ麻理子さんに読んで欲しくて」と渡してくれた本「読書する女たち ステファニー・スタール」との出会い。同じく、読書を通じて自分の内面と向き合い、進む道を見つけている。ジャーナリストとしてバリバリ働いていた主人公が、出産で思い通りに働けなくなり、自分のキャリアに不安を感じたり、子育てに閉塞感を感じていた時にフェミニズムの名著を読み直し、自分らしさを取り戻していくという内容。

そしてブッククラブ(読書会)の歴史がまた面白い。ブッククラブの起源は”女性の集まり”らしいのだ。

同ニュースレターによれば、18世紀後半頃から女性が文学と対話を楽しむために始めた読書サークルが起源だとのこと。ブッククラブは、マイノリティ層の知的探求と表現のためのセーフスペースとして、そして、人権や自由を広げるアクティビズムのための場として重要な役割を担っていたという。

読書は一人でする人が圧倒的に多いと思うが、同じ本を何人かで読んで意見を交える読書会。その場限りではない、何かを生み出す力がそこには生まれるのだろう。

詳しくは、『ワシントン・ポスト』の記事に。



自分事のAsian Hate Crime

日本で暮らしていると、周りはみんな日本人。コロナ以前は外国人の旅行者も多く見かけて、少しインターナショナルなエリアも増えていたが、その後はもう外国人を見かけるのは珍しくなった。わたしも以前はAirbnbを運営していたので、週に1度は外国の旅行者と会話していたのが、今はぱったりと、全く無くなってしまった。

コロナをきっかけに世界で湧き上がっているアジア人への偏見や差別。汚い言葉で罵ったり、暴行にまで発展する事件も各地で起きている。でもそう、日本にいると、自分もアジア人なのに他人事に感じてしまうのだ。 (photo from Mother Mgazine)


そんな中、アジア系アメリカ人の女性クリエイターたちが、立ち上げたアジア人差別に対抗する慈善団体「JOY NOT HATE」の存在を知った。大きな社会問題が自分と関係のないところで起こっていると思っていたら、急に近しい問題に感じる瞬間がある。今回がそれだった。私と同じ年齢くらいの女性たちが、立ち上がっている。それだけでも共感できるのだが、アプローチがおもしろい。それぞれがクリエイターということもあり、自身の作品をオークションすることで活動費用や、寄付金を捻出している。また、それぞれが公にはしづらいであろう、自身の差別的な経験、ストーリーを公開している。クリエイターとして活躍していて、一見魅力的に見える女性たちも、ただアジア人というだけで差別を受けた経験があることに驚いた。この女性たちの中には、日本人もいる。正直、自分ごとまではまだステップが必要だが、こうやって立ち上がる女性たちをみると、刺激を受けるし、応援したくなる。



コクヨがおもしろい

そう思い始めたきっかけは、「コクヨ野外学習センター」のtwitterをフォローしたこと。コクヨ、そうあの文房具コクヨだ。コクヨは約10年前から、社内にコクヨ ワークスタイル研究所という名前で「働き方」をテーマに世界中の最新の事例や専門家の意見などを集めた、ウェブマガジン「WORKSIGHT」の運営と紙媒体を発行してきた。この研究所があることで、コクヨは単なる文具メーカーとしてでなく、働くこと周りのメーカーとして、先進的な視点を活かしたプロジェクトを生みだしてきたようだ。

「コクヨ野外学習センター」は2020年に始まった、研究所と黒鳥社という出版社がコラボして展開しているリサーチユニット/メディアだ。人類学者の松村圭一郎氏をホストに迎えて展開される、「働くことの人類学」はPodcastで人気の番組で、6月に活字に起こした本も出版されている。私も大好きな番組だ。働く「道具」をこれまでメーカーとして生み出してきたコクヨが、改めて私たちに必要な道具とは何かを、深めていく内容は、非常に未来的であり興味深い。

また、コクヨの東京本社はTHE CAMPUSという名前で街に開かれたコンセプチュアルなオフィス設計がなされている。オープンなラウンジや公園、ショップ、コーヒースタンドは、社員でなくても利用できる。「働くこと」と「暮らし」の実験場と謳うオフィスを持ち、2030年までの経営計画の理念に「BE UNIQUE」を掲げているコクヨ。なんだか、私の中でのイメージがいい意味で全く変わったしまった。


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