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Letter for Adventurer VOL.3

『Letter for Adventurer』はキュレーション型のニュースレターです。Woman Adventurerの視点から、おもしろいと感じた記事やコンテンツをピックアップして、私のコメントと共にお知らせします

 

オリンピアンと母親の両立

Steph ChambersGetty Images

オリンピック、盛り上がっていますね。私は自宅にテレビがないので、なかなかリアルタイムで楽しめていないのですが!


さて、非難も多い東京オリンピックだが、ママアスリートの活躍については海外のメディアは好意的に取り上げられている。ワシントン・ポストは、記事のタイトルに「もうオリンピック選手か母親かを選ばなくていい」とかかげ、その両立の道が開かれていると報じた。そのストーリーの一つとして、カナダのバスケットボール選手、キム・ブーシェの話が載って

いる。本大会は海外からの観客が認めていないが、彼女は生後3ヶ月の娘がいる。(それでオリンピックに出られる身体って、amazingすぎる)当初、組織委員会は娘の同行を許可しなかったそうだが、キムがSNSでその問題について訴え、社会的に非難が集まり同行が許可された。また、陸上競技の全米五輪選考会では、3人の代表選手が選出のうち、2人(クアネラ・ヘイズ、アリソン・フェリックス)が母親であった。フェリックスは2歳の娘を子どもをトラックに連れてきて、レース後のスポットライトを一緒に浴びた。美的ストーリーに聞こえるが、フェリックスは2019年に妊娠したときに、スポンサーであるナイキから報酬を減額されるという屈辱も経験している。しかし、この報酬減額のニュースはアメリカ社会に大きなインパクトを与え、その後ナイキを筆頭に、出産手当や福利厚生に関する方針を変更する企業が続出した。

BAZZAR(日本版)でも同様の記事が上がり、「オリンピック選手たちの身体能力を讃えるのであれば、アスリートの進化にはその人が母親になる可能性も含まれることを理解する必要がある。」と語られている。長らくスポーツ界では、母親であるプロアスリートを尊重してこなかった。このオリンピックでは、その両立が可能なものとして、子どもたちや、みんなの目に移ることを願う。


アリソン・フェリックスのシューズブランド


photo from https://saysh.com/

前の記事にも出てきた、アメリカのオリンピック代表選手であるアリソン・フェリックスは、2018年に妊娠中にNikeから不当な扱いを受けたとして、スポンサー契約を解約し、その後どのメーカーとも契約を結んでいなかった。そして、2021年彼女は自身のシューズブランド「Saysh 」を立ち上げた。その商品である「Saysh One」を実際に履いてオリンピックへも参加している。リアルタイムでぜひチェックしたい。

彼女は、これまで女性や母親になったスポーツ選手を不当に扱ってきたスポーツ産業とは離れて、独自のエコシステムをつくろうとしているとTIMEは報じている。私はあまりスポーツはしないので分からないが、スポーツシューズは男性向けのデザインが主流で、女性はその小サイズ版であることが多かったそうだ。フェリックスは、女性の足にあった機能的なシューズをつくることを目指し、「このブランドは、美しさや健康だけでなく、強さや公正さ、連帯感を重視しています」と言う。東京五輪が最後のオリンピックと語るフェリックス。彼女の活躍が、これからの女性スポーツ選手の活躍に直結しているとなれば、期待を寄せて応援してしまう。


ユーズド品の未来


Photograph: Tolga Akmen/AFP/Getty Images

私の住むまちには古本屋さんが多い。最近、「モノ」について考える何度か機会があり、今回はユーズド品のこれからについてみなさんと共有したい。全国的にみて、本屋さん自体の数は20年前から減少し続けているが、個人が営む個性のある古本屋や独立系の書店は、その中でも増加傾向だ。また、メルカリでこれだけモノがやり取りされる様子を見ていると、モノを別の所有者が使うという行為は、消費の一つの本流にもなりつつあるようだ。環境への配慮や、アンチ大量消費の視点からもユーズドを増やしていくことは私は大賛成なのだが、そのときにメーカーや著者にはお金が入らないということをついつい忘れてしまう。

このことについて、イギリスのGuardianが古本の売上に応じて著者に印税を払うという、新たなシステムでの解を報じている。ロンドンのサマーセットにある古本屋「Bookbarn International」が、イギリス最大級の古本ビジネスを営む「World of Books Group」と一緒に立ち上げたプロジェクトで、今はまだネット販売のみでの運用だ。映画化もされた「ショコラ」の著者であるジョアン・ハリスは「本には物質としての紙以上の価値がある。著者が新たな読者を獲得するときに、そのいくらかの利益を得られることはすばらしいことだ」と言っている。この問題は本に限らない。ユーズドが消費として定着するなら、それはモノとしての耐久性、機能性、デザイン性などが優れていることも重要になる。そして、二次、三次流通によって利益が作り手にも返るならば、より良い作り手を生み出すことにもつながるのだろう。


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